愛人への未練の曲?

愛人への未練の曲?

愛人への未練の曲?

2024/02/23
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。


ショスタコーヴィチの交響曲第5番には、ビゼーの《カルメン》の「ハバネラ」や「ジプシーの歌」などからの引用が見られるんだけど、これはこの曲を作曲する少し前に付き合っていた愛人「リャーリャ」への愛の叫びの曲とも言われているんだよ。

因みにこの時のショスタコーヴィチはニーナという一人目の妻がいたんだけど、まあまあ冷え切った関係だったらしい。
だけどリーリャとの不倫関係も精算する必要に迫られ、ショスタコーヴィチは泣く泣く分かれることになったんだ(これは私の勝手な妄想)

で、このリャーリャは別の人と結婚することになるんだけど、この相手の人の名字が「カルメン」だったんだ。たまたまね。
つまりリャーリャは名字が変わってカルメンになったわけで、ショスタコーヴィチにとって「カルメン」とは元愛人のリャーリャ自身のことであると言うことなんだね。ちょっと「アタオカ」だね。

第4楽章のラストでは「ラ」の音が連続して表れるわけですが「ラ」とはロシア語の発音では「リャ」です。
そう、なんと、ショスタコーヴィチは交響曲第5番の第4楽章において、別れた愛人「リャーリャ」の名を叫び続けていると解釈することもできるわけなのです。
 
その回数、なんと252回というから、もう、中学生がそのまま大人になったやばい奴な感じがしますね。
因みに13歳の頃から女について語っているような男であって、ついでにイケメンだったんだ。

実は、4楽章冒頭でティンパニーが八分音符で刻んだ後の金管楽器群が強烈に奏でるテーマも、カルメンの引用と言われていて、短調で書かれているけどこれを長調に変えると、あらビックリ、カルメンのあの有名な部分になるんだよ。そしてその歌詞は「だまされるな」である。

勝利の交響曲であり、二重言語による政治批判であり、そしてその最深部には愛人への思いが込められているんだけど、私はこれは大衆へのメッセージだったのが強いのではないか?と思っております。
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