悲劇その1 長女ヨセフィーナの死

悲劇その1 長女ヨセフィーナの死

悲劇その1 長女ヨセフィーナの死

2023/12/06
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。


さて、幸せ絶頂期の ドボルザークに悲劇が訪れます。長女ヨセフィーナが誕生して3日後に亡くなってしまうんです。
ドボルザークにとっては、これから幸せな家族のために頑張るぞ!と決意を固めていた矢先の出来事で、その落胆は計り知れません。

そしてドボルザークは長女ヨセフィーナの死は自分に原因があると思い始めます。
ドボルザークはこの頃オペラ作品の作曲を手掛けていて、多忙の毎日だったそうです。

そのため、年子で妊娠していた妻アンナの体調を自分はあまり気遣えなかったと思っていたらしいのです。決して彼に責任があったわけではないのですが、やはりこんな風に考えないとやりきれない気持ちだったのでしょう。

彼はこの悲しみを胸に作曲活動に打ち込み、このときに完成した曲が「ピアノ三重奏曲ト短調」なんです。
https://www.youtube.com/watch?v=WBtvfjvEtUc

なぜピアノ三重奏曲を書いたのかというと、以前の回でドボルザークがオーケストラに所属していたときに、指揮者としてスメタナと出会ったという話を書いたと思います。
ドボルザークにとってスメタナは同郷チェコの音楽家の尊敬する大先輩でありました。このスメタナ自身も20年前に自身の娘を同じように失っているのです。しかも同じ9月に。
このときスメタナはピアノ三重奏曲を作曲しており、ドボルザークは大先輩スメタナのピアノ三重奏曲誕生のエピソードになぞって、作曲したのかもしれません。

娘に先立たれて辛く、悲しく、もう先が見えないような気持ちになってしまった時、同じような苦しい境遇を経験した先輩の姿を思い出したのではないでしょうか。暗闇の中に進むべき道を見出せるのではないかと…。
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