もう一人の指揮者がコンマス

もう一人の指揮者がコンマス

もう一人の指揮者がコンマス

2023/10/11

【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。



演奏会で指揮者が指揮を振っているけど、演奏者見てないじゃん!という話をよく言われます。
まあ、学生の吹奏楽などは本当に見ていない場合もありますが、プロはもちろん、私を含めた多くのアマチュア奏者は実は見ているんです。

楽譜を中心に見ているのですが、ちゃんと視界の中に指揮者が入っているんだよ。だから指揮棒を使うんだよね、指揮棒ってだいたい白いじゃん。客席は暗くて黒い、指揮者の服装もだいたい黒い。だから指揮棒は視界に入ってきます。

ただ、オーケストラの場合、指揮者も見ているが、もう一人見ている人がいます。それがコンサートマスター。
コンマスはもうひとりの指揮者と言われていて、指揮者が出す要求をオーケストラに伝えていく役割があるのですよ。

だから演奏者はコンマスもよく見ているのね。例えば音の出だしとか、アインザッツっていうんだけど、音の縦線を合わせるのは指揮者よりもコンマスを見ていることが多いかな?バイオリンは弓を使うから、動きの予測がし易いし、どのタイミングで音が出るかよく分かるんだよ。

指揮者から見てもコンマスは重要なパートナーで、指揮者の一番近くにいますから、コンマスに情報を伝えて、それをオケ全体に伝達していくという事を意識しているはずです。

ウイーンフィルのコンマスなんかは、指揮者よりも偉いと言われることもあって、本番で指揮者が入ってきたときに、だいたいコンマスと握手するんだけどこのときに小声で「今日は若い観客が多いから少しテンポ早めに」と指揮者に対してアドヴァイスしたりするらしいよ。

あと、めったにないけど、指揮者が本番の演奏中に病気で倒れたりした場合は、コンマスが変わりに指揮を振って演奏を継続することもあるんだよ。
病気じゃないけど、N響の演奏会でアシュケナージが指揮を振っていたときに、指揮棒が手に刺さり、流血する事件があり、この時アシュケナージは本番中に舞台から降りて、コンマスがその後の演奏を継続したということがあったと読んだことがあるよ。

まあ、コンマスは重要な役割なんだよね〜
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