オペラだけにあるコレペティートルという仕事

オペラだけにあるコレペティートルという仕事

オペラだけにあるコレペティートルという仕事

2023/10/05
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。


コレペティートルって聞いたことありますか?略してコルペティなんて呼ぶこともあるのですが、この役割の人はオペラだけに存在するかなりニッチなお仕事なんですよ。
メインの仕事としては、オペラ歌手にピアノを引きながら音楽稽古をつけるのですが、ピアノ伴奏とは格が違います。

オペラはだいたいオーケストラが演奏しますが、練習にオーケストラを呼んできて練習するのは財務的に難しいですよね。
そこでコレペティートルが登場するのですが、実はオペラの多くがボーカルスコアというのが存在していて、ここにピアノの伴奏譜がついているのですが、結構不備があったり、ニュアンスが違ったりということがよくあるのです。
そこで、コレペティートルさんは、オケの総譜とボーカルスコアを見て、的確な演奏をするわけです。

私の知っているコレペティートルさんは、オケの総譜を見て弾いていました。これはかなり高度な技術が必要なんです。楽器によって調が違いますからね。
あと、言葉も大事で、オペラで使われる言葉、例えばイタリア語やドイツ語など、発音やアクセントが違っているときに指摘する役割もあるのですよ。

そして、演技指導もやるんですね。演出家さんが別にいますから、演技と言っても音楽的な部分での指導が主な役割にはなるのですが、最近のオペラは演技もすごく重要になっているので、演出家さんとコレペティートルさんがチームになって作品を作り上げていくんですよ。

あと、セリフを言っている後ろでチェンバロが演奏している場面があるのですが、これをレチタティーヴォっていうんですが、本番ではこのチェンバを担当することが多いです。
そして、もし演者さんがセリフを忘れたときにすかさず、セリフを出してあげるという役割もあるんだよ。

ヨーロッパのオペラハウスなんかは、ステージの一番客席側に、なぜか造形物がおいてあることがあるんだけど、舞台に穴が空いていて、ここにコレペティートルさんが入って、歌手の人にセリフを出すということもあるんだよ。
面白いよね。

完全な裏方のコレペティートルさん。カーテンコールで出てくることもないですが、とにかく作品に関しては深い造詣が求められるすごい人なんです。
このコレペティートルを経験してから指揮者になる人も多いよ。あのカラヤンも若い頃はコレペティートルで修行していたんだって。
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