悲劇その3 長男オカタールの死

悲劇その3 長男オカタールの死

悲劇その3 長男オカタールの死

2023/12/08
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。


次女ルージェナを失って憔悴しきっているところへ、涙も乾かぬうちに今度は長男オタカールが天然痘にかかってしまいます。
ドボルザーク夫妻は3日間必死に看病をしました。しかしその看病も虚しく、次女ルージェナの死からわずか1ヶ月あまりの9月8日の朝、長男オカタールも旅立ってしまうのです。
この日はドボルザーク36回目の誕生日でもありました。

わずか2年で最愛の子ども3人を亡くしたドボルザーク夫妻。悲しみは計り知れない、私達には想像すらできない状態だったと思われます。

そんな悲しみの中のドボルザークは、長男の死をきっかけに、作曲に没頭します。
長女に続いて次女、長男が相次いで後を追うように旅立ってしまった悲しみ…。そういったやり場のない怒りや悲しみのエネルギーが、作品を生み出すエネルギーに変えていったのではないかと考えられています。

さて、こんな悲劇を夫婦に襲いかかると夫婦に亀裂が入りそうなものですが、ドボルザークは妻アンナをそれでも大切に愛情を注ぎ続けたのです。
その証拠に彼がこの頃に発表した作品がロンドンで大成功を収め、その喜びを妻アンナへ手紙で伝えており、その手紙が今でも残っています。

ちなみに、ドボルザーク夫妻はその後10年間で2人の男子と4人の女子に恵まれました。誕生した年月を挙げると、1878年6月、三女オティーリエ、1880年1月、四女アンナ、1881年、五女マグダレーナ、1883年3月、次男アントニーン、1885年2月、三男オタカール、1888年4月、六女アロイジエです。

もうビックダディーだよね。沢山の子どもたちに囲まれながらも、生涯先立った3人のこどもたちのことを決して忘れたことはないでしょう。
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